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(1)つやの良い軟らかい米
米糠をとる精米機の向上で、お米のつやが大変よくなってきました。でも、お米も魚や肉、野菜と同じ生鮮食品です。お米の保存には十分気を配ってください【→お米の上手な保管法】。また、最近は無洗米がでてきています。無洗米は甘皮といわれている糊粉層も除いてしまいます。それだけに保存と使用には注意が必要です。
(2)上手な米の買い方
玄米は1年を通じて鮮度を保つために、低温(15℃)貯蔵庫の中で保管されています。しかし、精米した米は早いうちに食べ切るのが一番です。特に夏場は3〜4日、せいぜい1週間分を買い、鮮度の良いうち食べてください。(玄米で購入して、食べる分を家庭用精米機で精米する方法もあります。)
(3)お米の保管場所
いちばん理想的な保管場所は冷蔵庫などでの低温貯蔵がよいのですが、米びつでも結構です。湿度がなく、いやな臭いがなく、温度が高くない場所で保管してください。
(4)炊飯の準備
・米を洗うには、洗いやすい半月型のボールが最適です。
・料理用のウィップは米を痛めずにすすぐことができます。
・ハカリは水浸後の米質を調べるために必要です。
・炊飯釜はマイコン入りのガス式を使うと一番おいしく炊けます。
(5)“とぐ”から→“すすぐ”へ
現代の米はすすぐだけでよいのです。米をボールの中に入れて、水を入れてから5分間置いてください。そして料理用ウィップで2〜3回静かに攪拌してください。攪拌後、水切りをして再度水を入れて、同じようにウィップで2〜3回攪拌してください。これを数回くり返すだけでOKです。どうしても、研がないと気がすまないようでしたら、子供の力程度で研がないとヒビが入って砕米になります。
(6)浸漬(水漬け)
水漬けは、米質を知る大切な個所です。米は水漬けによって加熱(炊飯)の媒体となり、美味しく炊きあがるのです。30分〜60分、じっと我慢の水漬を必ず行なってください。しかし、余り我慢が長すぎてもいけません。前日の夕方、水漬けした米を翌日の朝に炊いた場合は軟らかくなってしまうからです。歯ごたえのよいご飯は、30分〜60分の水漬けがいちばん上手に炊くポイントです。ザルに揚げたお米は空気にさらされて、水分がとび、ひび割れと同じに砕米を多くすることになります。水きり時間は5〜10分で十分です。それ以上、空気にさらさないことです。
(7)計量(米質を知るポイント)
米を買うたびにご飯が硬くなったり、軟らかくなったりして、いつも困ってしまうという話をよく聞きます。それは、お米は常に同じ状態ではないからです。特に、ブレンドしたお米は、よく水を吸収する米と吸収しない米があるのです。
試しに、新しいお米を買ってきた時に生米と水漬け後の米の重量を比較してみてください。浸漬米は生米の1.26〜1.3倍になるはずです。(同じお米でも季節によって、保管状態によって変わってきます。)
・1.26倍は硬めの米質
・1.3倍は軟らかめの米質です。
米質を知って水加減を調整することがポイントです。より正確には何合という米の容量ではなく、浸漬前のお米の1.28倍(重量比)の水加減が炊飯の基本です。後は、好みに応じたご自分の重量比を見つけ出してください。
(8)炊飯前の注意
炊飯釜に入れたお米は水平にならしてください。自動炊飯器は釜の裏側にあるヘソが水で濡れていると誤作動を起こします。濡れているようでしたら、乾いた布巾でよく拭き取ってください。
(9)炊く
重量比1.2〜1.3増の水の中で、米粒は水の泡(対流)であおられながら立ち上がります。その間、米粒は水温が上がることで水を吸収していきます。これを“米を水で煮る”といいます。立ち上がった頃には水がなくなり、水蒸気の発生が起きます。これを“蒸す”といいます(自動炊飯器は自動的に火が消えます)。水蒸気によって米はご飯になっていきます。ご飯とは米粒の芯まで水分がムラなく行き届いたものをいいます。ちょうど落ち着いた頃(10〜15分後)がご飯がいちばん大きくなった頃です。最後に強火で1分加熱するとふっくらとした、甘味のある、歯ごたえがいい美味しいご飯の出来あがりです。
(10)むらす
火が消えてから10〜15分蓋を開けずにそのままにしてください。飯盒(はんごう)炊飯の天地替えと同じ理由です。釜の中の炊きムラを少なくするために行なうのが“むらし”です。炊飯中のご飯粒は芯まで水分が行き届いていません。それを芯まで行き届かせるためにむらすのです。火が消えてすぐにご飯を食べてみるとまた芯のあることがわかります。
(11)ほぐす
炊き上がったふっくらとしたご飯を釜の中でほぐさずにしておくと“釜がえり”という現象が起きて、歯ごたえのないふかしご飯のようなものになります。せっかく炊き上がったご飯を美味しく食べるには、ほぐしたご飯粒に空気を当てて身を締め、歯ごたえのいいご飯として召し上がってください。ジャーの中に入れっぱなしのご飯より、容器にいれて冷蔵庫で保存したご飯をレンジで再加熱した方が美味しいのも同じ理由です。
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